オーナー通信

2017年11月オーナー通信
11月10日発行
管理を委託いただいているオーナー様へ発行しているオーナー通信のバックナンバーです。 法令等については当時の情報となっています。

現在、紅葉シーズンの真っただ中です。
日帰りで行ける関東近辺のスポットは、日光、高尾山、筑波山などがありますが、穴場としては
懐古園(かいこえん、長野県・小諸市)があります。浅間山麓の穴蔵城として知られる小諸城跡の石垣にそって
ぎっしりと植えられた桜の紅葉は大変美しく、遥か日本海へと向けて流れる千曲川の流れを遠く見下ろしながら、
茶店でお茶をいただくことができます。見ごろは 11 月中旬頃までですが、お勧めの紅葉スポットです。
今月は、民法改正による原状回復負担割合の算定、リノベーションの効用についてお伝えさせていただきます。

民法改正、リノベーションの効用

◇ 賃貸事業部 マネージャー
【民法改正について】
本年6 月10 日発行のオーナー通信でもお伝えさせていただきましたが、民法が大きく改正されることがすでに決まっており、2020 年までに施行されることになっています。改正ポイントは次の通りです。
1.敷金返還ルールの法律化
2.原状回復ルールの法律化
3.連帯保証人からの問合せ回答義務新設
4.連帯保証人の保証額極度額(限度額)設定義務新設
5.事業用物件の連帯保証人への情報提供義務新設

その後、民法改正の不動産業実務への影響について、徐々に情報伝わってきていますが、上記に加えて、新法 611 条「賃借物の一部滅失による賃料の減額」が不動産業界の中で話題になっています。
これは、貸室の設備が故障などで使用できなくなった場合に、借主からの要求がなくても、当然に賃料を減額する必要があるというものです(現行民法では当然ではありません)。
ただし、どの設備が使えなくなった場合にいくら減額すれば良いのか、また減額する方法はどうすれば良いかなどは法律には明記されませんので、実務上どのように対応すれば良いのかが難しいのです。
また、オーナー様にとっては、設備不良が減収に直結しますので、これまで以上に設備機械のメンテナンスが重要になることや、一定年数が経過した設備は故障する前に交換対応が必要になる場合があるなど、実務上の課題があるのです。
実際に改正されるまでには、減額金額や減額方法など、一般的な進め方が明確になってくると思われますので、弊社でも随時情報を収集し、オーナー様とご相談のうえ対応を進めさせていただきたいと考えています。

■敷金返還ルールの明記
前記改正点のうち、1.2 の敷金返還、原状回復ルールについて、弊社でも以下の通り実務上の対応を進めております。
① 原状回復のガイドライン・契約書特約に沿った原状回復負担割合算定の厳密化周知
② オーナー様、入居者様に原状回復工事負担割合をご理解いただける資料の整備
③ 賃貸借契約書の整備
原状回復のガイドラインとは、国土交通省、東京都が住宅物件について、原状回復工事の負担について、貸主と借主の間で、どういう場合にどちらがどれだけの割合の工事費を負担するかを定めた指標です。
これまではガイドラインしか存在しなかったものが、民法にもルールが明記されることになります。
仮にガイドラインや民法から外れて工事費の借主負担割合を大きくして精算した場合、少額訴訟などで貸主が敗訴する可能性が高くなることが予想され、結果的にオーナー様に無用な負担をかけてしまうことになりかねません。
そのため、その内容を入居者様、オーナー様に分かりやすく説明する資料を用意し、スムーズにご理解いただけるようにしたいと考えております。
また、賃貸借契約書を民法改正に対応させる必要がありますが、弊社顧問弁護士と相談しながら対応を進めています。
※住宅物件のガイドライン遵守対応については、改めて詳細をご案内させていただく予定です。

 

◇ 会計事務課 アソシエイト
【リノベーションの効用について】
私事ですがこの夏に引越をいたしまして、リノベ物件の効用を体感しましたので、お伝えできたらと思います。
まず部屋の内見をした際にリノベ物件のインパクトの強さを実感いたしました。よく内装された部屋を見て、妻が「前のめり」になっているのが見てとれ、その後はトントン拍子で契約に至りました。
築 30 年ほどの物件なのですが、もし内装工事前の部屋を見て「こんな部屋になります」と説明されたとしても、検討にもっと時間をかけ慎重になっていたと思います。
弊社でも空室内見用に照明、カーテンや小物をディスプレイしておりますが、このお部屋も照明や家具・カーテンが設置され「寂しい空き部屋」というイメージが消されており、これまで実施してきたことの意味を思わぬかたちで実感いたしました。
また物件の営業担当者が女性で、女性目線でリノベーションをコーディネートしていた事もスピード契約につながったと思います。
妻に聞いてみたところ、次の3つの意見は女性の視点がよく現れていると感じました。
①水回りスペースを広めにとって、掃除のしやすい設備が選ばれている。
②身長の関係で吊り収納は使いづらく、特に水回りでは引き出し式の収納のほうが使いやすい。
③間仕切りは引き戸、収納扉は折れ戸になっているとスペースが効率的に使え、もったいなくない。

余談ですが室内物干し金物について、室内で洗濯物をハンガーにかけてからベランダに出すことで、日差しの強い日も屋外に出る時間が少なくて済むと申していました。

ファミリータイプの物件では女性側の気持ちを掴むことが契約の近道となることは、我が家に限ったことではないと思います。
弊社にも経験豊富な女性営業担当がおりますので、気になることがありましたら、ぜひご相談いただければと存じます。

 

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